悲鳴

仕事帰りの電車の中で、「うわっ!」「きゃっ!」などと悲鳴が上がった。
何だろう?と思ってみると、おっさんまではいかないが若者でもないような酔っ払いの男性がゲロを吐いたのだ。
まぁ、ゲロを吐くということは稀にあったりするが、今回は訳が違った。
ゲロを吐くにしても、人としてドアの方を向くなり、下を向くなりすると思うが、その彼は何を思ったのか自分がいる場所に近いドアではなく、反対側のドアの方を向いて、空中散布したのである!
つまりだ。
頭からゲロ被ってしまった人もいれば、飛んできた余波を喰らってしまった人もいる。
その辺一帯は悲鳴の後に沈黙が訪れたのは言うまでもなく、次の停車駅では当の本人も含め、8人位が下車した。
各人、自分の身に降りかかったゲロをどうにかしようとしていたが、どうにもなるものではないだろう。
可哀想なのは頭にかかった人とかだ。
その空中散布した人は当然気持ち悪いので、ヘタリ込んでいたが、その後を考えるとちょっと怖い気もする。
いっそのこと記憶がない方が本人は幸せなんだろうな。
そういや学生時代に雀荘で後輩Sがゲロしたのを思い出してしまった...。